0250-43-0170

予約AIで1次対応。必要に応じて転送いたします。

お口の豆知識 TRIVIA

保育園で「お口が気になる」と言われたら?先生への聞き方と歯科受診の目安

保育園で「お口が気になる」と言われたら?先生への聞き方と歯科受診の目安

お迎えのときに聞いた一言を、落ち着いて整理するために


「食事中に口が開いていることが多くて」。お迎えの慌ただしい時間に先生からそう言われ、帰り道に意味を考え込んだ保護者の方もいるでしょう。園で気づいてもらえたのは心強いものです。それでも、口呼吸なのか噛み方なのか、すぐ受診すべきなのかは迷いますよね。この記事では、先生への聞き方、家庭で見ておく点、歯科へ相談する目安を順に整理します。


この記事の要点まとめ


  • 先生には気になる場面や頻度、食事内容を尋ね、検診票の記載と日常の観察を分けて確認します。
  • 家庭では口の開きや食べ方、姿勢、鼻づまりなどを無理のない範囲で記録し、園での様子と合わせておきます。
  • 痛みや腫れ、食べられない様子は早めに歯科へ連絡し、日常の癖は記録を持って通常の予約で相談できます。初診では検査や今後の確認時期も尋ねられます。

保育園の先生には「お口の何が気になるのか」をどう聞けばよい?


病名を尋ねるより、「見かけた場面」と「頻度」を聞くと指摘の意味が絞り込めます。先生は毎日の様子を見ている立場なので、園で見た事実を教えてもらうつもりで声をかけてみてください。


食事中と遊んでいるとき、どちらの様子か聞くには?


「いつ、何をしているときに、どんな様子でしたか?」と短く聞くと伝わりやすいです。口が開いている、噛みづらそう、よだれが多いなど、先生が見た行動をそのまま教えてもらいましょう。お迎えで時間がなければ、連絡帳に一行書くだけでも十分です。


毎日なのか、特定の食事だけなのかはどう確かめる?


次の3点を聞いておくと、家庭での観察と比べやすくなります。


  • ほぼ毎日か、ときどきか
  • どんな大きさ・硬さの料理のときか
  • 食べ終わるまでにどのくらいかかるか

給食がゆっくりなのは、しつけだけでなく口の働きが関わる場合もあります。決めつけずに状況を集めておきましょう。


歯科検診の指摘と先生の気づきは分けて聞く?


分けて聞くのがおすすめです。検診票の記載なのか日常の観察なのかで、確認すべき内容が変わります。記号や用語は書面を見ながら尋ね、原因の判断まで先生に求める必要はありません。


家庭では、お口ぽかんと食べ方のどこを見ておく?


園と家庭の両方で同じ様子が見られるかを、無理のない範囲でメモしておくと相談に役立ちます。口の開きだけで原因を決めず、食べ方や姿勢もあわせて見てください。


食事以外でも口が開いているか、どう見分ける?


テレビを見ているとき、静かに遊んでいるとき、眠っているときの唇を、日を変えて何度か見てみましょう。鼻づまりやいびきの有無もヒントです。ただ、口が開いているだけで口呼吸や病気と決めつけることはできません。


食べるのが遅く、飲み込めないように見えるときは?


むせる、丸飲みする、口にため込む、クチャクチャ音がするといった様子を確認します。一口の大きさや食事時間に加え、足の裏が床や足置きにつく椅子かも見てください。姿勢が崩れると噛む・飲み込む動きにも影響しやすく、姿勢づくりで気になる点は受診時に医師にご相談ください。


食べ方が気になっても、過去の授乳を気に病む必要はありません。授乳の仕方とむし歯の関係は研究でも結論が一つに定まっていません1。また、赤ちゃんの一時的な口の開きに園児と同じ目安は当てはまりません。


おしゃぶりや口を使う遊びは、記録しておく?


はい。おしゃぶりや指しゃぶり、唇を噛む・舌を前歯に押しつける癖、よくする口遊びをメモしておくと受診時に伝えやすくなります。一つの行動を原因と決めつけたり、自己判断で練習を始めたりせず、まずは記録にとどめましょう。


保育園で指摘されたら、歯科にはいつ相談する?

保育園で指摘されたら、歯科にはいつ相談する?

痛みや腫れがあれば早めに連絡を。口の開きや食べ方など日常の癖が中心なら、通常の予約で相談できることが多いです。


痛み・腫れ・食べられない様子がある場合は?


歯や歯ぐきの痛み、腫れ、転んで口をぶつけた、食事がとれないといった場合は、早めに歯科へ連絡してください。息が苦しそう、強いむせを繰り返す場合は、歯科の予約を待たずに小児科や救急相談を優先しましょう。


口が開く、食べるのが遅い場合は通常の予約でよい?


多くは通常の予約で相談できます。痛みがなくても、園と家庭の両方で繰り返す、食事や会話に支障がある場合は小児歯科へ。一時的に見えるなら記録を続け、続くかどうかを確かめてからでも構いません。


検診票にむし歯や歯並びの記載があった場合は?


記号だけで自己判断せず、検診票の説明と受診案内を確認しましょう。乳幼児のむし歯の世界的な推定有病率は約49%と報告されています2。ただし、集団のデータからお子さん一人ひとりの受診時期は決められません。受診を勧める記載があれば歯科へ連絡し、歯並びの指摘は食べ方や口の癖と一緒に伝えると、背景にも目を向けた相談につながります。


ポイント

痛み・腫れ・食べられない様子は早めに連絡、息苦しさや強いむせは医療機関へ。日常の癖は記録を持って通常の予約で相談できます。


歯科の初診では何を伝え、どんなことを相談できる?


園での具体的な様子と家庭でのメモがあれば、診察の手がかりになります。初診はすぐに治療を始める場とは限らず、次の確認時期も含めて相談できます。


子どもの歯科受診を予約するとき、何を伝える?


予約時は「保育園で指摘された」「痛みの有無」「初診であること」を伝えましょう。当日は次のものがあると説明がスムーズです。


  • 検診票や園からのお便り
  • 家庭での観察メモ
  • 食事中の写真や動画(撮れた場合)

受診先を選ぶ際は、送迎と両立しやすい日時も考えてみてください。費用や子ども医療費助成の扱いは医療機関によって異なるため、当院も含め予約時にご確認ください。


初めての場所を嫌がるお子さんの診察はどう進む?


問診と口の中の確認が中心で、必要な検査は説明を聞いてから相談できます。2〜6歳では約3割に歯科への恐怖や不安が見られるとの報告があり3、怖がるのは珍しいことではありません。当院でも、お子さんのペースに合わせて少しずつ慣れていけるよう心がけております。


口の働きが気になる場合、MFTや遊びはすぐ始める?


すぐに始めるとは限りません。MFT(口周りの筋肉の使い方を整える訓練)や口遊び、取り外し式の装置は、食べ方・呼吸・姿勢を見たうえで検討するもので、全員に一律ではありません。歯並びを整える前に、背景にある口の使い方に目を向けて方針を決めていきます。気になる様子が続くなら、メモと検診票を手元にそろえて予約の連絡をしてみてください。


よくある質問


Q. 「お口ポカン」「口ポカン」とは何のことですか?


A. 意識していないときに唇が開いたままになっている状態を指す、くだけた呼び方です。鼻づまりや口周りの筋肉の使い方、姿勢などさまざまな背景が考えられ、呼び名だけで原因はわかりません。続くようであれば歯科医師にご相談ください。


Q. 子どもの口臭が気になったら受診したほうがいいですか?


A. 起床時の一時的なにおいは珍しくありません。日中も続く、歯ぐきの腫れや出血がある、口が開いていることが多いといった様子があれば、歯科で確認してもらうとよいでしょう。


Q. 保育園の歯科検診は必ず受けるものですか?


A. 園の健康管理の一環として実施されるもので、実施時期や内容は園によって異なります。詳しくは園にお問い合わせください。園の検診は短時間で全体を見るものなので、気になる点は歯科医院での診察で改めて確認するとよいでしょう。


Q. 口の働きの相談と一緒に、フッ素塗布やシーラントも相談できますか?


A. 相談できます。フッ素塗布やシーラント(奥歯の溝を樹脂でふさぐ予防処置)が適しているかは、歯の状態を見て歯科医師が判断します。日ごろの仕上げ磨きの方法もあわせて聞いておくと、家庭でのケアに活かせます。


参考文献


1. Shrestha SK, Arora A, Manohar N, et al. Association of Breastfeeding and Early Childhood Caries: A Systematic Review and Meta-Analysis. Nutrients. 2024. PMID: 38732602. DOI: 10.3390/nu16091355

2. Maklennan A, Borg-Bartolo R, Wierichs RJ, et al. A systematic review and meta-analysis on early-childhood-caries global data. BMC Oral Health. 2024. PMID: 39049051. DOI: 10.1186/s12903-024-04605-y

3. Sun IG, Chu CH, Lo ECM, et al. Global prevalence of early childhood dental fear and anxiety: A systematic review and meta-analysis. Journal of Dentistry. 2024. PMID: 38246307. DOI: 10.1016/j.jdent.2024.104841


浅井佑介

歯科医師


浅井歯科医院

院長

浅井佑介

▶ 監修者プロフィール

経歴
2002年
新潟県立新津高校卒業
2008年
明海大学歯学部歯学科卒業
明海大学付属明海大学病院 歯科医師臨床研修(〜2009年)
2009年
明海大学歯学部 オーラルリハビリテーション学分野入局 PDI診療センター勤務(〜2013年)
2013年
新潟大学大学院医歯学総合研究科 組織再建口腔外科学分野入局(〜2017年)
2015年
富山県立中央病院歯科・口腔外科勤務(〜2016年)
2017年
新潟大学大学院医歯学総合研究科修了(歯学博士学位取得)浅井歯科医院勤務
資格・所属学会
2010年
(4月1日)日本顎咬合学会入会
2010年
(6月23日)日本口腔インプラント学会入会