0250-43-0170

予約AIで1次対応。必要に応じて転送いたします。

お口の豆知識 TRIVIA

やわらかい食事で咀嚼力低下?子供の成長への影響と噛む力を育む工夫

やわらかい食事で咀嚼力低下?子供の成長への影響と噛む力を育む工夫

やわらかい献立が続くと、噛む力はどう変わる?


うどんやハンバーグなど、子どもが喜ぶやわらかい料理に頼りがち。気づけば家族みんな、噛む回数が減っていませんか。噛む刺激の不足は、顎の発育や口腔機能の育ちに関わると考えられています。この記事では、咀嚼力の低下が成長期に及ぼすと考えられる影響と、家庭で無理なく続けられる工夫を整理してお伝えします。


この記事の要点まとめ


  • やわらかい食事の継続は、顎の発育や歯並び、口腔機能の育ちに関わると考えられています
  • 食材の切り方や加熱時間の工夫、食事環境の見直しで、無理なく噛む機会を増やせます
  • お口ポカンなどのサインが気になる場合、歯科医院で口唇閉鎖力測定などの評価を受けられます

やわらかい食事が招く咀嚼力低下と成長期への具体的な影響

やわらかい食事が招く咀嚼力低下と成長期への具体的な影響

パンやめん類、ひき肉料理、加工食品。忙しい毎日を支えてくれる味方ですが、噛み切らなくても飲み込める献立が多いのも事実。知らないうちに咀嚼回数が減っている、ということが起こります。


顎の骨の発達不足と永久歯の歯並びへの影響


顎の骨や口の周りの筋肉は、噛むという運動刺激を受けながら育つと考えられています。噛む回数の少ない状態が続くと顎に加わる刺激が弱まり、歯を並べるための幅が広がりにくくなる可能性が指摘されています。


乳歯より大きな永久歯が生えそろう時期にスペースが不足すると、歯が重なったり前後にずれたりしやすくなることがあります。歯並びは遺伝だけでなく、毎日の食べ方や噛む習慣からも影響を受けると考えられています。


これは子どもだけの話ではありません。大人もやわらかい食事に偏れば、口の周りの筋肉を使う機会は減っていきます。家族全体で見直したいテーマといえるでしょう。


口腔機能発達不全症や消化吸収・姿勢への広がり


食べる・話す・飲み込むといった機能が年齢相応に育ちにくい状態は、歯科では口腔機能発達不全症として扱われます。お口ポカン、丸呑み、食べこぼしが続くようなら、一度確認しておくとよいでしょう。


よく噛まずに飲み込むと、食塊が大きいまま胃に送られ、消化器の負担につながる場合があります。唾液の分泌も減りやすいため、むし歯のリスク管理という観点でも咀嚼は見逃せません。噛み合わせのバランスは、頭の位置や姿勢の安定にも関わるといわれています。


こうした噛む機能の低下は、成人期以降の口腔機能低下症や筋肉量の減少といった話題ともつながると考えられています。


家庭で無理なく実践できる!自然と噛む力を育む調理と食事の工夫

家庭で無理なく実践できる!自然と噛む力を育む調理と食事の工夫

「硬いものを食べさせれば噛む力が育つ」と思われがちですが、噛みにくい食材を無理に与えると、口に溜め込んだり丸呑みしたりする習慣につながることもあります。今の発達段階に合った噛みごたえを、日常の中で少しずつ増やしていく視点が大切です。


食材の切り方や加熱時間の工夫で噛みごたえをつくる


特別な献立を用意しなくても、調理のひと手間で咀嚼回数は変わってきます。


  • 切り方を大きめに:にんじんや大根は乱切り、きゅうりはスティック状に。前歯でかじり取る動きが自然に生まれます。
  • 加熱時間を少し短く:野菜を茹ですぎず歯ごたえを残す、根菜を煮込みすぎない。同じ食材でも噛む回数が増えます。
  • 食感を混ぜる:ハンバーグにれんこんやひじきを刻んで加えるなど、やわらかい料理に噛みごたえのある素材を足します。
  • 繊維の向きを意識:肉を繊維に沿って切ると噛みごたえが残り、噛み切る練習になります。

献立をすべて変える必要はありません。いつもの一品に「噛む場面」を一つ足すだけでも十分です。当院では管理栄養士による食育指導を行っており、ご家庭の食事内容に合わせた調理のヒントもお伝えしています。


水分での流し込みを防ぐ食卓の環境づくりと食事作法


噛みごたえのある料理でも、お茶や水で流し込んでしまえば咀嚼の練習にはなりにくいもの。飲み物は食事の前後や、口の中が空になったタイミングで、と決めておくだけでも流し込みは減っていきます。


あわせて見直したいのが姿勢です。足の裏が床や足台に接していないと、噛む力は入りにくくなります。テーブルと椅子の高さを調整し、背もたれに寄りかからずに座れる環境を整えましょう。


テレビや動画を消し、家族で会話しながら食べることも咀嚼を意識するきっかけになります。「何回噛めたかな」と数える遊びを取り入れれば、子どもも前向きに取り組みやすくなるはずです。


自宅でできる咀嚼チェックと歯科医院で受ける口腔機能評価


噛む力は目に見えにくく、変化に気づきにくいもの。まずは家庭で観察できるポイントを押さえ、気になる点があれば歯科医院で客観的に確認する。この流れが現実的でしょう。


お口ポカンや食事時間から見る咀嚼力のセルフチェック


道具を使わずに確認できるサインには、次のようなものがあります。


  • 安静時にいつも口が開いている(お口ポカン)
  • 食事時間が極端に長い、あるいは早食いで丸呑み気味
  • 硬めの肉や葉物野菜を口から出す、飲み込めずに残す
  • 食べこぼしが多い、くちゃくちゃと音が出る
  • 食事中に飲み物を何度も飲んで流し込む

するめや干し芋のような噛みごたえのある食品を、左右均等に噛めているか。片側だけで噛んでいないか。こうした点も観察してみてください。複数のサインが重なる場合は、噛む機能や嚥下の発達を一度確認しておくと、判断の材料が増えます。


大人でも、以前は食べられた食材を避けるようになった、食後に頬の内側を噛みやすいといった変化は、口腔機能低下症を考えるきっかけになります。


りっぷるくん等の機器を用いた口唇閉鎖力測定と専門サポート


歯科医院では、より客観的な評価が可能です。当院では口唇閉鎖力測定器「りっぷるくん」を導入しており、唇を閉じる力を数値として確認できます。数値化しておくと、現状の把握や経過の振り返りがしやすくなります。


あわせて歯科用CTや3D口腔内スキャナーを用い、顎の骨格や歯列の状態を立体的に確認しながら、噛み合わせと歯並びの成長経過を追っていきます。高圧蒸気滅菌器や口腔外バキュームも整え、お子さんが落ち着いて通える環境づくりを心がけています。


評価の結果に応じて、口の周りの筋肉を使うトレーニングや、管理栄養士による食事内容の相談など、一人ひとりの発育に合わせたご提案を行っています。気になる時期に相談しておけば、成長の過程を見守りながら対応を検討できます。五泉市の当院では、小児の口腔機能に関するご相談も受け付けています。


よくある質問


Q1. 咀嚼機能の低下による影響にはどのようなものがありますか?


A. 顎の骨や口周りの筋肉への刺激が減ることで、歯列の育ち方に関わる可能性があります。唾液分泌の減少、消化器への負担、姿勢の安定への影響なども指摘されています。成人期以降は口腔機能低下症や筋肉量に関する健康課題との関連も語られています。


Q2. やわらかいものしか食べないと、どのような変化が考えられますか?


A. 前歯でかじり取る、奥歯ですりつぶすといった動きの経験が不足しやすくなります。その結果、食べこぼしや丸呑みが続き、口腔機能発達不全のサインが見られることがあります。まずは食材の切り方や加熱時間の調整から始めてみてください。


Q3. あまり噛まずに飲み込む癖は見直せますか?


A. 一度に口へ運ぶ量を減らす、飲み物での流し込みを控える、足が床につく姿勢に整えるなど、環境面の見直しで変化が期待される場合があります。ただし程度には個人差がありますので、経過を見ながら進めましょう。


Q4. 噛む力が弱いかどうかは、歯科医院でどのように確認しますか?


A. 問診や食事状況の聞き取りに加え、口唇閉鎖力測定器などを用いて数値で確認する方法があります。必要に応じて歯列や顎の状態も画像で確認し、総合的に判断していきます。


Q5. 何歳ごろから相談できますか?


A. 乳歯が生えそろう時期から永久歯への交換期まで、幅広い年齢でご相談いただけます。保護者の方が気になったタイミングでお声がけください。


浅井佑介

歯科医師


浅井歯科医院

院長

浅井佑介

▶ 監修者プロフィール

経歴
2002年
新潟県立新津高校卒業
2008年
明海大学歯学部歯学科卒業
明海大学付属明海大学病院 歯科医師臨床研修(〜2009年)
2009年
明海大学歯学部 オーラルリハビリテーション学分野入局 PDI診療センター勤務(〜2013年)
2013年
新潟大学大学院医歯学総合研究科 組織再建口腔外科学分野入局(〜2017年)
2015年
富山県立中央病院歯科・口腔外科勤務(〜2016年)
2017年
新潟大学大学院医歯学総合研究科修了(歯学博士学位取得)浅井歯科医院勤務
資格・所属学会
2010年
(4月1日)日本顎咬合学会入会
2010年
(6月23日)日本口腔インプラント学会入会