
目次
お子様の食事時間、その背景には歯科的な理由が隠れていることも
新潟県にお住まいで、お子様の食事に1時間近くかかることにお困りではありませんか。「食べるのが遅い」背景には、噛み合わせやお口の機能発達といった歯科的な要因が関わっている場合もあります。本記事では考えられる原因・受診の目安・3つの解決策を、当院の視点から分かりやすくお伝えします。
この記事の要点まとめ
- 子供の食事が遅い背景には、噛み合わせのズレ・口腔機能発達不全・むし歯などの歯科的要因が関わる場合がある
- 毎食30分以上かかる・流し込み・口がぽかんと開くなどのサインは、歯科への相談を検討する目安の一つ
- 食環境の調整・口腔筋機能療法(MFT)・口腔機能検査を組み合わせた対応が改善へのアプローチとなりうる
目次
- お子様の食べるのが遅い原因に潜む3つの歯科的要因
- 歯科に相談すべき?「受診の目安」となるお子様のサイン
- お子様の「食べるのが遅い」を改善する3つの解決策
- お子様のお悩みを安心して相談できる歯科医院の選び方
お子様の食べるのが遅い原因に潜む3つの歯科的要因

お子様が食事に時間がかかる背景には、性格やマイペースさだけでなく、お口の機能や歯並びが関わっているケースもあります3。ここでは代表的な3つの歯科的要因を見ていきましょう。
1. 噛み合わせのズレ(不正咬合)による咀嚼効率の低下
出っ歯、受け口、前歯が噛み合わない「開咬」といった不正咬合があると、食べ物を前歯で噛みちぎりにくく、奥歯でもすりつぶしにくくなることがあります3。その結果、咀嚼に必要な回数と時間が増え、食事全体が長引きやすくなります。噛み合わせのズレは、食べるスピードだけでなく発音や呼吸にも影響することがあります。
2. 「口腔機能発達不全症」によるお口の筋力不足と口呼吸
舌の動きが弱かったり、唇を閉じる力(口唇閉鎖力)が不足していると、食べ物をうまくまとめて飲み込みにくくなります13。いつも口がぽかんと開いた「口呼吸」の状態では、食事中に鼻呼吸がしにくく、一度に飲み込める量も少なくなりがちです。こうした状態は「口腔機能発達不全症」に該当することもあり、専門的な評価が求められます。
3. むし歯による痛みや特定の場所での噛みづらさ
奥歯の間や歯と歯の接触面にできたむし歯は、保護者さまが目視で気づきにくいものです1。噛むとしみる、痛むといった不快感があると、お子様は無意識にその歯を避け、片側だけで少しずつ噛むようになることがあります。食事時間が急に長くなった場合は、むし歯のチェックを受けることをおすすめします3。
歯科に相談すべき?「受診の目安」となるお子様のサイン

「うちの子は単にマイペースなだけ?それとも相談したほうがよい?」と迷う保護者さまのために、歯科的な視点で確認したいサインをまとめました13。
食事時間が「30分以上」かかり、お口にため込む
毎食30分以上かかり、食べ物をいつまでも口の中にため込んで飲み込みにくい状態は、嚥下(えんげ)機能の発達が追いついていないサインの一つと考えられます3。舌でうまく食塊を作れず、飲み込むタイミングをつかみにくい可能性があります。給食の時間内に食べ終えられないと指摘を受けた場合も、一度歯科でお口の機能を確認してみましょう。
クチャクチャと音を立てる・食事中の姿勢が崩れる
口を閉じて咀嚼しにくい状態だと、噛む音が漏れて「クチャクチャ」と聞こえることがあります1。また、体幹の筋力やお口周りの筋肉のバランスが十分に育っていないと、食事中に背中が丸まったり、足がぶらぶらして姿勢が崩れやすくなります。姿勢の乱れは咀嚼・嚥下にも影響するため、お口の機能と合わせた評価が推奨されます。
水分で流し込む・よく噛まずに丸飲みしている
お茶やスープで一気に食べ物を流し込んだり、あまり噛まずに丸飲みしてしまう癖にも注意が必要です3。噛む力や舌の動きが十分に育っていないと、食塊をまとめきれず「流し込み」で対応しがちになります。この状態が続くと、噛む力がさらに育ちにくい循環に入りやすい点にも留意しましょう。
お子様の「食べるのが遅い」を改善する3つの解決策
ここからは、家庭と歯科医院の両面から取り組める3つのアプローチをご紹介します。
解決策1:家庭で今日からできる食習慣と環境の調整
まずは食事環境の見直しから始めてみましょう1。食材は前歯で噛みちぎれる大きさ・厚みにカットし、噛みごたえのある食材(根菜、きのこ、繊維質の野菜など)を少しずつ取り入れます。椅子は足の裏が床または足置きにしっかり着く高さに調整し、体幹が安定する姿勢を作ることが咀嚼機能を育てる第一歩です。テレビを消し、食事に集中できる環境づくりも取り入れてみてください。
解決策2:歯科医院での「口腔筋機能療法(MFT)」と「マイオブレス」
舌の位置や唇の閉じる力を整えるトレーニングが「口腔筋機能療法(MFT)」です3。舌の運動・呼吸・嚥下のパターンを繰り返し練習することで、お口の機能の土台を育てていきます。あわせて、マウスピース型装置「マイオブレス」を就寝時などに使う「育てる小児矯正」という選択肢もあります。顎の発育を促し、口呼吸から鼻呼吸への切り替えをサポートする方法の一つとして知られています。
解決策3:お口の機能検査(口腔機能発達不全症の検査)と費用目安
当院では「りっぷるくん」を用いて口唇閉鎖力を数値で測定し、お子様のお口の状態を客観的に評価しています。歯科用CTや3D口腔内スキャナーも活用し、噛み合わせや顎の発育を多角的に確認します。「口腔機能発達不全症」の診断がついた場合には、検査や管理の一部が保険適用となるケースもあります3。マイオブレスなどを用いた小児矯正は自由診療となるため、費用や期間については事前にしっかりご説明します。将来のお口の健康への投資として、幼少期からの機能へのアプローチには意義があると考えています。さらに当院では管理栄養士による食育指導も行っており、食習慣の面からもサポートしています。
お子様のお悩みを安心して相談できる歯科医院の選び方
新潟県で通いやすい歯科医院を選ぶ際には、以下のポイントを確認してみてください3。
小児歯科や小児矯正の経験が豊富で予防に取り組んでいるか
むし歯治療だけでなく、お口の機能の発達や予防に取り組んでいる歯科医院を選ぶことが大切です3。年齢に応じた咀嚼・嚥下・呼吸の発達を評価し、必要に応じてMFTや小児矯正を提案できるかどうかを確認しましょう。「食べるのが遅い」というお悩みを、単なる生活習慣の問題ではなく、お口の機能全体の課題として捉えてくれる医院かどうかが判断のポイントです。
お子様向けの設備(りっぷるくん等)や通いやすい環境の有無
口唇閉鎖力を数値化する「りっぷるくん」や、被ばく量に配慮した歯科用CT、負担の少ない3D口腔内スキャナーなど、客観的な評価ができる設備が揃っているかも確認しておきたいポイントです。当院では高圧蒸気滅菌器や口腔外バキュームを備え、衛生管理にも配慮しています。共働きのご家庭でも通いやすいよう、お子様のペースに寄り添った診療を心がけています。
参考文献
1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth
2. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/
3. 日本小児歯科学会 https://www.jspd.gr.jp/
よくある質問(FAQ)
Q1. 食べるのが遅い子供は障害があるのでしょうか?
A. 食べるのが遅い=障害があるとは限りません。多くは噛み合わせやお口の機能の発達など、お口周りの要因が関係しているケースもあります3。気になる場合は歯科での評価をおすすめします。
Q2. 歯が生えるのが遅い子は何が原因ですか?
A. 個人差が大きく、遺伝や全身の発育、栄養状態などが関係すると考えられています1。極端に遅い場合や左右差が大きい場合は、一度歯科でレントゲン等による確認をご検討ください。
Q3. 5歳児がご飯を食べるのが遅いのはなぜですか?
A. 乳歯の生え変わり時期に差し掛かり、噛みにくさを感じている場合があります。また口唇閉鎖力や舌の動きの発達が追いついていない可能性もあります3。
Q4. 子供が食事が進まないとどうすればいいですか?
A. まずは食材の大きさ・硬さ、椅子の高さなど環境を見直してみましょう1。それでも変化が見られない場合や30分以上かかる状態が続く場合は、歯科への相談をご検討ください。
Q5. 検査や相談は保険適用になりますか?
A. 「口腔機能発達不全症」の診断がつく場合、検査や管理の一部に保険が適用されることがあります3。マイオブレスなどの小児矯正装置は自由診療です。詳しくは当院までお問い合わせください。
新潟県立新津高校卒業
2008年
明海大学歯学部歯学科卒業
明海大学付属明海大学病院 歯科医師臨床研修(〜2009年)
2009年
明海大学歯学部 オーラルリハビリテーション学分野入局 PDI診療センター勤務(〜2013年)
2013年
新潟大学大学院医歯学総合研究科 組織再建口腔外科学分野入局(〜2017年)
2015年
富山県立中央病院歯科・口腔外科勤務(〜2016年)
2017年
新潟大学大学院医歯学総合研究科修了(歯学博士学位取得)浅井歯科医院勤務
(4月1日)日本顎咬合学会入会
2010年
(6月23日)日本口腔インプラント学会入会






