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お口の豆知識 TRIVIA

子供の口呼吸を放置する影響は?お子様の歯並びやむし歯を防ぐ対処法

子供の口呼吸を放置する影響は?お子様の歯並びやむし歯を防ぐ対処法

目次

お子様の「お口ぽかん」、そのままにしていませんか?


テレビを見ているとき、あるいは寝ているとき、お子様の口がぽかんと開いていることはありませんか。口呼吸を続けていると、歯並びやむし歯のリスクだけでなく、顔立ちや睡眠の質にも影響が及ぶ可能性があります。 この記事では、五泉市の浅井歯科医院院長が、口呼吸による影響とご家庭で取り組める対処法をわかりやすくお伝えします。


この記事の要点まとめ


  • 子供の口呼吸を続けると、歯並びの乱れ・むし歯リスク・顔立ちへの影響・睡眠の質低下などが生じる可能性がある
  • 口が開きやすい・いびきをかくなどのサインがあれば、耳鼻咽喉科と歯科医院への早めの相談が望ましい
  • MFTや姿勢改善など、成長期に取り組むことで負担の少ないアプローチが期待できる

目次



お子様の口呼吸を放置する4つの重大な影響と将来リスク


お子様の「お口ぽかん」は、ただのクセと片付けられるものではなく、成長期の心身にさまざまな影響を与える可能性があります23。ここでは代表的な4つのリスクを見ていきましょう。


1. 歯並びの乱れ(出っ歯や受け口の可能性)


通常、上下の歯列は舌と頬・唇の筋肉のバランスによって形づくられていきます。ところが口が常に開いていると舌が下に落ち込み、頬からの圧力ばかりが強く働くため、歯列が狭くなったり前歯が突き出やすくなる傾向があります。姿勢が崩れて猫背になると舌の位置もさらに下がりやすく、歯並びや噛み合わせの乱れにつながる可能性があると指摘されています3


2. 唾液が減少し「むし歯」や風邪のリスクが高まる


口を開けたままだと口腔内が乾き、唾液による自浄作用や抗菌作用が働きにくくなります。その結果、むし歯や歯肉炎、口臭が生じやすくなると考えられています1。加えて、鼻というフィルターを通さずに空気を取り込むため、ウイルスや花粉が直接のどへ届きやすく、風邪をひきやすい体質にもつながる可能性があります。


3. 「アデノイド顔貌」など顔立ちの発育への影響


口呼吸が長引くと、下顎が後退し、面長で口元が突き出た、いわゆる「アデノイド顔貌」と呼ばれる顔立ちに近づきやすいとされています。成長期の骨格は柔軟である反面、日常の姿勢や呼吸のクセの影響を受けやすいため、早めに気づいてあげることが大切です3


4. 睡眠時無呼吸(SAS)による日中の眠気と学習意欲への影響


口呼吸ではのどの気道が狭くなりやすく、いびきや睡眠時無呼吸のリスクが高まる可能性があります。睡眠の質が下がることで、日中の眠気や集中力の低下、学習意欲の減退につながる可能性が報告されています2。授業中にぼんやりしている、体育で持久力が続かない、といったサインも見逃さないようにしたいところです。


うちの子は大丈夫?自宅でできる口呼吸のセルフチェックと原因

うちの子は大丈夫?自宅でできる口呼吸のセルフチェックと原因

まずはご家庭で、お子様の様子を客観的に観察してみましょう。


日常の仕草から見抜く「口ぽかん」の簡易セルフチェック項目


次の項目に複数当てはまるようなら、口呼吸の可能性があります。


  • テレビやゲームに集中しているとき、無意識に口が開いている
  • 寝ているときにいびきをかく、朝起きたときに口やのどが乾いている
  • 食事中にクチャクチャと音が出る、飲み込むときに舌が前に出る
  • 上下の唇を閉じるとあごに梅干し状のシワが寄る
  • 姿勢が崩れやすく、猫背気味で顎が前に出ている

口呼吸を引き起こす代表的な原因(鼻づまり・お口の筋力低下)


主な原因は、大きく2つに分けられます。ひとつはアレルギー性鼻炎やアデノイド肥大などの鼻疾患、もうひとつは口輪筋や舌の筋力不足です。離乳食期に硬さのある食材に触れる機会が少なかったり、姿勢の崩れによって舌が正しい位置に収まらなかったりすると、お口周りの発達が追いつかないケースがあります3


耳鼻咽喉科と歯科医院のどちらを優先して受診すべきかの判断基準


鼻づまりや慢性的な鼻炎が疑われる場合は、まず耳鼻咽喉科で鼻呼吸ができる状態を整えることが先決です。そのうえで、習慣化した口呼吸や舌の使い方、歯並びについてのご心配は歯科医院にご相談ください4。両者が連携することで、より丁寧なアプローチが期待できます。


歯科医院での専門治療と自宅で取り組める口呼吸の対処法


口呼吸への対応には、お口周りの筋肉と姿勢の両面からアプローチしていくことが欠かせません。


お口の筋肉を正しく鍛える口腔筋機能療法(MFT)と予防ケア


MFT(口腔筋機能療法)とは、舌の正しい位置を覚え、唇・頬・舌の筋肉のバランスを整えるためのトレーニングです。「あいうべ体操」など自宅で気軽に取り組めるものから、歯科医院で行う専門的なメニューまで、幅広く用意されています3。日々の姿勢を整えることも、舌の位置を安定させるうえで大切なポイントです。


市販の「口閉じテープ」を使用する際の安全性と注意点


市販のマウステープは、鼻呼吸ができることが大前提です。鼻づまりがある状態や、自分で外せない乳幼児への使用は避けてください。使用対象年齢や注意書きを必ず確認し、不安があれば歯科医院や耳鼻咽喉科に事前にご相談いただくと安心です。


大人になってから対応する場合との費用・身体的負担の比較


成長期は骨格や筋機能の可塑性が高く、トレーニングを中心とした負担の少ないアプローチで整えやすい時期とされています。骨格が固まった大人になってから対応する場合には、本格矯正や外科的処置が必要になるケースもあり、費用・期間・身体的負担が大きくなる傾向があります。


トレーニング(MFT)にかかる費用の目安と保険適用の有無


「口腔機能発達不全症」と診断された小児については、一定の基準を満たすと保険診療での管理が可能です1。自由診療の小児矯正を併用する際は別途費用がかかりますので、事前に費用や通院回数の見通しをご確認いただくことをおすすめします。


新潟県五泉市でのお子様の口呼吸・歯並び相談は浅井歯科医院へ


当院では、お子様の口腔機能の発達を大切にした診療を行っています。


「りっぷるくん」を活用したお口の閉鎖力の客観的測定


当院では口唇閉鎖力測定器「りっぷるくん」を導入しており、お口を閉じる力を数値で確認できます。数値として見えることで、お子様自身がゲーム感覚で目標を持って取り組める点がメリットです。トレーニングの経過を見える化することで、ご家族にも変化を共有しやすくなります。


患者さまお一人おひとりに寄り添う小児歯科と小児矯正の連携


当院では、予防を目的とした歯科ケアや口腔機能の発達支援から、必要に応じた適切な時期の小児矯正まで、患者さまのライフスタイルに合わせてご提案しています。姿勢や呼吸のクセは全身とも深く関わるため、姿勢と健康に関する情報サイトなども参考にしていただきながら、日常生活を含めたアプローチを大切にしています。「お口ぽかんが気になる」「歯並びが心配」と感じたら、まずはお気軽にご相談ください。


よくある質問


Q1. お子様の口呼吸は成長にどのような影響がありますか?


A. 歯並び・噛み合わせの乱れ、むし歯や歯肉炎のリスク上昇、顔立ちの発育、睡眠の質など、幅広い影響が指摘されています23。早めの気づきと対応が望まれます。


Q2. 口呼吸をそのままにしておくとどうなりますか?


A. 口腔内の乾燥による感染リスクの増加や、いびき・睡眠時無呼吸につながる可能性があります。日中の集中力低下として現れるケースもあるため、慎重な観察を推奨します。


Q3. 口呼吸はIQに影響しますか?


A. IQそのものへの直接的な影響を断定することはできませんが、睡眠の質の低下を通じて集中力や学習意欲に影響が及ぶ可能性が報告されています2


Q4. お子様の口呼吸は改善できますか?


A. 原因(鼻疾患・筋機能・習慣)に応じたアプローチによって、改善が期待できるケースは多くあります。耳鼻咽喉科と歯科医院の連携、MFT、姿勢改善などを組み合わせることが大切です34


Q5. 何歳頃から相談すればよいですか?


A. 明確な下限はありませんが、乳歯列期〜混合歯列期は口腔機能が育つ大切な時期です。気になるサインがあれば、年齢を問わず早めにご相談ください。


参考文献


1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth

2. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

3. 日本小児歯科学会 https://www.jspd.gr.jp/

4. 日本歯科医師会 https://www.jda.or.jp/


浅井佑介

歯科医師


浅井歯科医院

院長

浅井佑介

▶ 監修者プロフィール

経歴
2002年
新潟県立新津高校卒業
2008年
明海大学歯学部歯学科卒業
明海大学付属明海大学病院 歯科医師臨床研修(〜2009年)
2009年
明海大学歯学部 オーラルリハビリテーション学分野入局 PDI診療センター勤務(〜2013年)
2013年
新潟大学大学院医歯学総合研究科 組織再建口腔外科学分野入局(〜2017年)
2015年
富山県立中央病院歯科・口腔外科勤務(〜2016年)
2017年
新潟大学大学院医歯学総合研究科修了(歯学博士学位取得)浅井歯科医院勤務
資格・所属学会
2010年
(4月1日)日本顎咬合学会入会
2010年
(6月23日)日本口腔インプラント学会入会