子どもが頻繁にいびきをしていたり、周りの子よりも食べるのが遅かったりすると、保護者の方は不安に感じてしまうこともありますよね。
こうした症状は「口腔機能発達不全症」という病気と関連があるかもしれません。
これはお口の機能の発達が遅れる、あるいは不十分となる病気で、近年は多くの子どもに症状が見られます。
将来的に歯並びや健康に悪影響をおよぼすこともあるため、適切な対処が求められます。今回はそんな「子どものいびき」や「食べるのが遅い」症状への対処法を五泉市駅前の浅井歯科医院がわかりやすく解説をします。
目次
■口腔機能発達不全症への当院の取り組み
当院では、子どものいびきや口呼吸、食べるのが遅いなどの症状を引き起こす「口腔機能不全症」に対して、年齢に応じた取り組みを行っております。
【0~1歳】食べさせ方指導・運動指導
0~1歳は、子どもがお口の機能を獲得するスタート地点です。そのためこの時期に何をやるか・やらないかによって、その後のお口の発育に影響を与えることがあるため、保護者の方もその重要性を正しく理解しておきましょう。
◎正しい食べ方を身につける
0~1歳の目標としては、「正しい食べ方を身につける」ことが挙げられます。もちろん、この年齢ではお子さん自身が能動的に正しい食べ方を身につけることはできないので、保護者の方の「食べさせ方指導」が主な取り組みとなります。
それと並行して、お子さんの月齢に応じた運動指導も実施します。
【1歳~】チューイングブラシ・子どものお口を育てる歌
1歳からは乳歯の数も増えていきます。一般的には3歳くらいまでに全部で20本の乳歯が生えてくるため、口腔機能の発達も顕著な時期といえます。この時期には、「チューイングブラシ」という、シリコンゴムで作られたトレーニング用の歯ブラシを使って、お口周りの筋肉を鍛えます。
◎チューイングブラシの使い方
チューイングブラシは、基本的に毎日使用します。お口に装着して50回程度カミカミすることで、噛む力はもちろんのこと、口唇を閉じる力も養われます。
その結果、「食べるのが遅い」という症状が改善され、食事中の食べこぼしの頻度も低下します。食べ物を噛む時にくちゃくちゃ音が鳴ったり、飲み込みにくさの改善が期待できます。
◎子どものお口を育てる歌
当院では、お子さんのお口の機能を育てるための歌の練習も行っています。全部で6曲あり、意外に感じるかもしれませんが、歌を歌うことは口腔周囲の機能を発達させる上で役立つ方法なのです。
【3歳~】お口の機能を育成する「Vキッズ」
3歳になり、乳歯列が完成すると、歯並びや噛み合わせの問題が見えてきます。そうした不正咬合の兆候が見られる場合は、「Vキッズ」という小児口腔機能育成装置を使用して、歯並び・噛み合わせが悪くなる原因を早期に取り除きます。
Vキッズは、口腔内を拡げる・舌や顎を適切な位置に誘導する・正しい呼吸を確保できるという効果が期待できます。
その結果として成長ホルモンの分泌が促進され、全身の発育・成長にも良い影響を促すことができます。ちなみにVキッズは就寝中のみ装着します。
【5歳~】MFT(口腔筋機能療法)
5歳からはお口の機能の発達も進んでくるため、さらに細かなトレーニングを行います。MFTという口唇や舌、顔面の筋肉を鍛える方法で、一度覚えてしまえばどこでも簡単に行えます。
MFTの一例としては、「スポット」「ティップ」「ポッピング」などが挙げられます。
◎スポット
舌をお口の天井部分に貼り付けるトレーニングです。舌の筋肉を効率良く鍛えられると同時に、舌が本来あるべき場所(スポット)の位置も覚えられます。
◎ティップ
スティックを舌で前方へと押し出すトレーニングです。スティックは、清潔なものであれば何でも良いです。
◎ポッピング
舌の先をスポットに貼り付けて、舌全体をお口の天井部分に吸い上げるトレーニングです。お口の天井部分を舌で「ポンッ」と弾く運動で、お子さんも楽しみながらトレーニングできます。
当院では、こうしたお口のトレーニングに加えて、姿勢指導も実施しております。姿勢が悪いと、お口や首にも悪影響がおよび、口腔機能の発達が遅れることがあるためです。
お子さんを5人のクラスに分けてトレーニングする運動教室も設けておりますので、関心のある方はいつでもお気軽にご相談ください。
■まとめ
今回は、子どものいびきや食べるのが遅い症状を改善する方法について解説をしました。口腔機能不全症への対処法は、お子さんの年齢や発育状況によって変わるため、小児歯科や小児矯正の経験が豊富な歯医者さんに任せることが重要です。
お子さんの健やかな発育のためにも、子どものいびきや食べるのが遅い症状が目立つ場合は、早期に小児歯科を受診しましょう。