
皆さん、こんにちは。五泉市駅前の浅井歯科医院です。
「お子さんのおねしょがなかなか治らない」とお悩みの保護者の方は少なくありません。
実は、おねしょの原因のひとつとして“口呼吸”が関係している場合があるのをご存じでしょうか。口呼吸はお口だけでなく、睡眠の質や体の発達にも影響を及ぼすことがあります。
今回は、子どものおねしょと口呼吸の意外な関係、そして改善のための対策について解説します。
目次
■子どものおねしょと口呼吸の関係とは?
◎口呼吸がもたらす酸素不足
口呼吸の癖があるお子さんは、睡眠中に十分な酸素を体内へ取り込めていないことがあります。鼻呼吸では、空気が鼻腔を通過する際に加温・加湿・浄化され、効率よく酸素が取り込まれます。
しかし、口呼吸ではこの機能が働かず、喉が乾燥しやすくなるうえ、空気の流れが乱れて酸素濃度が下がりやすくなります。こうして体が慢性的な酸素不足に陥ると、自律神経が乱れ、夜間でも余分な水分を排出しようとする働きが強まり、結果的におねしょを誘発してしまうことがあります。
◎睡眠の質の低下とおねしょの関係
酸素不足は、脳や体を十分に休ませる深い睡眠(ノンレム睡眠)を妨げます。眠りが浅くなると、脳下垂体から分泌される「抗利尿ホルモン(ADH)」の分泌が減少し、夜間に尿を抑える機能がうまく働かなくなるケースがあるのです。
通常であればこのホルモンの働きによって夜間の尿量は少なく保たれますが、浅い眠りの状態では膀胱に尿がたまりやすくなり、おねしょにつながりやすいのです。
◎舌の位置と口呼吸の関係
口呼吸の習慣があるお子さんでは、舌の位置が下がりやすい傾向があります。通常、舌は上顎(口蓋)にぴったりと接しているのが理想的ですが、舌が低い位置にあると気道が狭くなり、自然と口呼吸になりやすくなります。
これが慢性化すると、顎の発育にも影響を及ぼします。下顎が後退したり、歯並びが乱れたりして、将来的に矯正治療が必要となるケースも。
また、舌の正しい位置が保てないと、飲み込み方や発音にも影響し、口腔機能全体の発達に遅れが生じることもあります。これは近年注目されている「口腔機能発達不全症」とも関係が深く、口呼吸が単なる癖ではなく、体全体の成長バランスに影響を及ぼす要因であることが分かっています。
◎口腔機能発達不全症との関連
最近注目されている「口腔機能発達不全症」は、舌や唇、顎などの機能が十分に発達していない状態を指します。
口呼吸はこの一因と考えられており、噛む・飲み込む・話すといった動作がうまくできないだけでなく、睡眠時の呼吸障害やおねしょにつながることもあります。歯科医院では、このような機能面からのサポートも行い、子どもの健やかな発達を支援します。
■口呼吸が関係するおねしょ・おもらしの対策方法
◎舌の位置を整えるトレーニング
口呼吸を改善する第一歩は、「正しい舌の位置」を身につけることです。舌の先が上顎の前歯のすぐ後ろ(スポット)につき、舌全体が上顎に密着するのが理想です。日常的に舌を正しい位置に置く練習をすることで、鼻呼吸が自然と促されます。
◎Vキッズによる口腔機能トレーニング
当院では、子どもの口呼吸改善を目的とした「Vキッズ」に対応しています。これは、子どもの成長段階に合わせて舌や唇、頬などの筋肉をバランスよく鍛えるトレーニングです。
装置を使ったり、簡単な体操を取り入れたりして、楽しく継続できるよう工夫されています。Vキッズを続けることで、鼻呼吸が身につきやすくなり、睡眠の質の改善にもつながります。
Vキッズについてさらに詳しく知りたい方は「子どもの歯並びや健康をサポート!子どもの顎を鍛える・呼吸を改善する「Vキッズ」とは」参考にしてみてください。
◎睡眠環境を整える
おねしょ対策としては、寝る前の過剰な水分摂取を控えるだけでなく、睡眠環境を整えることも大切です。部屋を暗く静かにし、リラックスできる状態で眠ることがポイントです。また、鼻づまりがある場合は耳鼻科での相談も検討しましょう。
◎保護者の方が気をつけたい生活習慣
保護者の方は、お子さんが口をぽかんと開けていたり、寝ているときにいびきをかいていたりしないか観察することが重要です。口呼吸が続くと歯ぐきが乾き、むし歯や歯肉炎のリスクも高まります。
歯みがきの際にもお口の状態をチェックし、異変があれば早めに歯科医院を受診しましょう。
■まとめ
おねしょやおもらしは「年齢のせい」と思われがちですが、実は口呼吸が解説のきっかけとなるかもしれません。口呼吸が続くと酸素不足によって睡眠の質が低下し、おねしょを引き起こすことがあります。
浅井歯科医院では、Vキッズをはじめとした口呼吸改善トレーニングを行い、お子さんの健やかな成長をサポートしています。お子さんに気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。






