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お口の豆知識 TRIVIA

舌の正しい位置ってどこ?舌の位置が悪いとどんな症状がある?【セルフチェック付】


皆さんこんにちは。五泉市駅前の浅井歯科医院です。


舌の位置が正しくないと、歯並びや噛み合わせ、発音などにさまざまな影響が出ることをご存じでしょうか。普段、無意識のうちに舌の位置がずれてしまっている方も少なくありません。


今回は、舌の正しい位置とセルフチェック方法、位置が悪いと起こり得る症状について、歯科医師の視点からわかりやすく解説します。


■舌の正しい位置とは?


舌には正しい置き場所があります。基本的に舌の正しい位置は「スポット」と呼ばれる上顎の前歯のすぐ後ろ、歯ぐきの少し奥にある膨らんだ部分に舌先を当てるのが理想です。


そして、舌の広い面は上顎全体に軽く触れ、舌全体が上顎に吸い付くような状態が望ましいとされています。


普段の安静時に舌が下がって口の中でだらんとしていると、口呼吸になりやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まったり、歯並びが乱れやすくなったりします。舌の正しい位置を保つことで、口腔内の健康維持だけでなく、全身の健康にもつながる大切な役割があります。


■舌の位置のセルフチェック方法


「自分の舌の位置は正しいのだろうか?」と気になる方は、以下のセルフチェックを参考にしてみてください。自宅で簡単に確認できます。


【セルフチェックのポイント】


唇を閉じた状態で舌先が上顎に当たっているか

 ⇒ 唇を閉じてリラックスしたとき、舌先が上顎のスポットに当たっていない場合は注意が必要です。


舌全体が上顎に軽く触れているか

 ⇒ 舌が口の底についていたり、歯に押し付けていたりする場合は舌の位置が低い可能性があります。


普段、口がポカンと開いていないか

 ⇒ 舌が下がると口呼吸になりやすく、無意識に口が開いてしまいます。


発音が不明瞭だと感じないか

 ⇒ 舌の位置がズレると発音が曖昧になりやすくなります。


飲み込むときに舌先が前歯を押していないか

 ⇒ 飲み込み時に舌先で前歯を押す癖があると、歯並びが乱れる原因になることがあります。


これらに1つでも当てはまる方は、舌の位置を意識して改善していくことが大切です。舌トレーニングなどで正しい位置を習慣化しましょう。


■舌の位置が悪いとどんな症状がある?


舌が正しい位置にない状態が続くと、口腔内だけでなく、呼吸や発音、さらには顎関節や姿勢にまで影響が及ぶことがあります。ここでは具体的な症状と、その背景にある仕組みについて解説します。


◎歯並びが乱れる

舌は安静時、歯列を内側から支える「天然の矯正装置」ともいわれています。正しい位置に舌があることで、歯列は外側からの口唇・頬の圧力と内側からの舌圧がバランスを保っています。


しかし舌の位置が低いと、内側からの圧が不足し、外側からの力に負けて前歯が突出したり、隙間ができやすくなったりします。特に成長期のお子さんは顎の骨が柔らかく動きやすいため、舌の癖が歯並びの乱れの大きな要因となることが知られています。


◎口呼吸が習慣化しやすい

舌が下がっていると、口の中のスペースがうまく確保できず、無意識に口が開いて口呼吸が習慣化してしまうことがあります。口呼吸は、唾液による働きが低下し、むし歯や歯周病のリスクが上がるだけでなく、口や喉が乾燥して、扁桃炎などの炎症を繰り返しやすくなります。


また、口呼吸によって酸素の取り込み効率が低下し、睡眠の質の低下や学習・集中力の低下につながることも指摘されています。


◎発音が不明瞭になる

舌の動きは、発音を正しく行ううえで欠かせません。サ行(サ・シ・ス・セ・ソ)やタ行(タ・チ・ツ・テ・ト)の発音は特に舌先の位置が重要で、舌が低い位置にあると舌先の可動域が制限され、息漏れや音のこもりが起こりやすくなります。


小児の構音障害の一因として、舌位異常や舌小帯の短縮が関係することもあります。


◎噛み合わせの不調や顎関節症のリスク

舌が正しい位置にないと、無意識のうちに歯列や顎に不自然な力がかかり続け、噛み合わせがずれてしまうことがあります。


噛み合わせが乱れると、顎の関節(顎関節)に負担がかかり、顎関節症の原因となる場合があります。顎関節症は、顎の痛み、口が開きにくい、開閉時にカクカク音が鳴るなどの症状を引き起こし、ひどくなると頭痛や肩こりの原因にもなります。


◎姿勢や全身への影響

近年の研究では、舌の位置が低いと気道が狭くなり、いびきや睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まることがわかってきています。また、低位舌は口呼吸を助長し、前傾姿勢や猫背を引き起こすことがあり、全身の姿勢の乱れにもつながると言われています。


舌の位置が正しくないことは、単にお口の問題にとどまらず、全身の健康状態に深く関わる重要なテーマです。当院では、必要に応じて舌癖を改善するためのMFT(口腔筋機能療法)や専門的な指導を行っておりますので、お気軽にご相談ください。


子どもの舌癖や口腔機能発達不全症を改善する方法は「子どもの歯並びを改善するお口周りのトレーニング」、食習慣から歯並び、噛み合わせを改善する方法は「離乳食の食べさせ方が歯並びや発音に影響するって本当?」をご覧ください。


■まとめ


今回は、舌の正しい位置について解説しました。


舌の正しい位置を意識することは、歯並びや噛み合わせ、全身の健康にとってとても大切です。セルフチェックで気になる点があった方は、早めに歯科医院でのご相談をおすすめします。


五泉市駅前の浅井歯科医院では、舌癖や噛み合わせのご相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。


浅井歯科医院
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