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お口の豆知識 TRIVIA

子どもが「よく噛む」ことの効果|8つのメリット


子どもの健やかな成長を促すためには、栄養バランスのとれた食事が重要です。食事の回数やタイミング、時間などにも気を配っている保護者の方も多いかと思います。


それに加えて「よく噛む」ことを意識すれば、お口や全身にさらなる良い影響をもたらしてくれることでしょう。


そこで今回は、子どもがよく噛むことの効果やメリットについて、五泉市駅前の浅井歯科医院が詳しく解説をします。成長期のお子さんがいらっしゃる方は、このコラムの内容を参考にしてみてください。


■子どもがよく噛むことの8つのメリット


子どもが食事の際によく噛むと、次に挙げる8つのメリットが得られます。


◎顎や歯並びが正常に発育する

私たちの顎やその周りの筋肉は、よく噛むことで鍛えられ、発育も促されます。その結果、歯を並べるためのスペースが十分に確保されることから、将来的にきれいな歯並びを手に入れられます。


◎咀嚼能率が向上する

顎や筋肉が鍛えられ、正常な歯並びが確立されると、噛み合わせも良くなります。それは食べ物を効率良く噛む「咀嚼能率」の向上にも寄与します。前歯で食べ物を噛み切り、奥歯ですり潰すことで、飲み込みやすい食塊を作れます。同時に、消化吸収も良くなります。


◎唾液の分泌が促される

食事の時に子どもがよく噛むと、唾液の分泌が促進されます。


唾液には、食べ物を洗い流す自浄作用、細菌を排除する殺菌作用・抗菌作用、お口の中の環境を中性に戻す緩衝作用、歯を強くする再石灰化作用、食べ物を飲み込みやすくする潤滑作用などが期待できるため、お子さんのお口の健康維持・増進に大きく寄与します。


◎胃腸への負担を減らせる

子どもがよく噛むことで分泌が促進される唾液には、アミラーゼという消化酵素も含まれています。これはデンプンを分解する酵素で、ご飯やパンの消化を口腔内から始めることができ、胃腸の負担を減らすことにつながるのです。


◎食べ物の味をしっかり感じられる

いろいろな食材の味を知ることもひとつの学習です。つまり、子どもが食事の際によく噛むことは、食材の甘みや苦み、うま味などを知る絶好の機会となるのです。


多くの食材は、よく噛むことで成分が細かく分解され、舌の表面にある味を感じる味蕾(みらい)へと情報が伝わりやすくなります。その結果、味覚の発育が促され、食材への関心や興味が広がり、食生活も充実していきます。


◎学習への意欲や集中力が向上する

子どもがよく噛むことは、脳への血流が促進されて、勉強することへの意欲や集中力の向上へとつながります。よく噛むことが高齢の方の認知症予防に役立つことは有名ですが、発育途上にある子どもにとっては、ものを覚える、ものに関心を持つ力に良い影響がもたらされるのです。


◎運動能力の向上につながる

私たちは、重いものを持つ時やスポーツでボールを打ち返す瞬間に、上下の歯で噛みしめることがあります。ここぞという時にしっかり噛める力や歯並び、噛み合わせを持っていることは、運動能力やスポーツのパフォーマンスの向上に寄与します。


つまり、子どもの頃から食事の際によく噛むことを意識すれば、体育の授業でもいろいろな場面で大きな力を発揮できるようになるのです。


◎幸せや満足感を得られやすくなる

食事の時によく噛むことは、セロトニンの分泌を促進します。セロトニンとは、幸せホルモンとも呼ばれる脳内神経伝達物質で、ストレスの軽減や心身をリラックスさせる効果が期待できます。


皆さんも美味しいものをよく噛んで味わっている時や食後の時間には、幸せを感じていませんか?その満足感には、セロトニンの作用も影響しているのです。


■よく噛むことが口腔機能発達不全症の予防に


近年、日本では「口腔機能発達不全症」を発症する子どもが増えています。噛む・飲み込む・しゃべる・呼吸する機能が十分に発達しない病気で、その治療には健康保険が適用されるほど一般化しています。


どれも生きていく上で欠かすことができない機能であることから、お子さんの将来のためにもその予防に努めることが大切です。


今回のテーマである「よく噛むこと」は、そのメリットからもわかる通り、口腔機能発達不全症の予防にも寄与します。


具体的には、子どもがよく噛むことで口腔周囲筋や顎が鍛えられ、歯並び・噛み合わせの発育も正常に進み、お口の機能も健やかに育まれていくことでしょう。

もちろん、子どもが食事の際によく噛むことだけで口腔機能発達不全症を予防できるわけではありませんが、その出発点となるでしょう。


■まとめ


今回は、子どもがよく噛むことで得られる8つの効果について、五泉市駅前の浅井歯科医院が解説しました。


食事の時に子どもがよく噛むことで、唾液分泌量の増加、咀嚼能率の向上、消化・吸収の促進などに加え、長期的には顎や歯並びの正常な発育にも寄与します。


その結果、口腔機能発達不全症の予防にもつながりますので、保護者の方はお子さんが食事の時によく噛むよう、日頃から促してあげてください。


子どもがよく噛む習慣を身に付けやすい食品に関しては、以前にも紹介していますので「子どもの顎を鍛える食べ物・おやつ」の記事をを参考にしてみてください。

浅井歯科医院
歯科医師
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